三菱D5:新型三菱デリカD:5に感じること

第1章2編:新型三菱デリカD:5の展示車を見た!

新型三菱デリカD:5 予約注文の受付が開始される

2018年11月21日、三菱自動車が「新型デリカD5の予約注文受付」と「新型デリカD5スペシャルサイトの公開」を開始しました。私はこの事を、三菱自動車からのメールマガジンで知り「新型デリカD5スペシャルサイト」を閲覧。正式発表は2018年12月21日、2019年1月11日~13日の東京オートサロンにて正式出展しその後2019年2月頃に発売とか? いづれにしろ、「新型デリカD5スペシャルサイト」を初めて見た感想は、多くの人がツィートしているように「非常に残念」が第一印象です。デザインが大きく変わった新モデルが発売されると、反感の声が高まるのが常ですが、今回もかなり激しく悪評傾向になっています。悪評の中、どうしても実車が見たく今回「三菱自動車本社ショールーム」で先行展示されている「新型デリカD:5」「新型デリカD:5 URBAN GEAR」の2車種を見てきました。 実車を見ると正直、「想像とは違い悪くはない。」と思います。残念な部分はありますが、新デリカD5は外部、内部ともに、確実に進歩しています。デザイン変更の賛否は、市場が決めてくれるでしょう。 細かい変更点は、多くのウェブサイトに掲載され説明されていますので、本ホームページでは新型三菱D:5に対する本ホームページ管理者の独断と偏見の意見を紹介してみたいと思います。また、2019年1月20日に「新型デリカD:5の試乗会」が急遽開催されるようです。表面だけではなく確実に性能がアップした新型を見てもらい評価してもらおうとの動きかと思います。販売に苦戦しているのかもしれません。

新型デリカD:5 P(7人乗り)エメラルドブラックパール×アイガーグレーメタリックの画像01

新型デリカD:5 P
エメラルドブラックパール×アイガーグレーメタリック

新型デリカD:5 URBAN GEAR G-Power package(8人乗り)ウォームホワイトパールの画像02

新型デリカD:5 URBAN GEAR G-Power package
ウォームホワイトパール

展示実車を見た感想

新型車は、現代の車づくりに沿い現行のデリカD5を継承しつつ新たなコンセプトでの車になっていることは容易に感じ取れます。外観は、インターネット上の写真よりはるかにデリカD5らしさを感じます。剃刀シェーバーなどとも言われているグリル部分は、新型デリカD:5は艶消しのシルバーなので想像よりもギラギラに見えません。URBAN GEARは、確かにギラギラです。デザインの好き嫌いはあるにせよ、デリカD5だとわかります。実車を見て新型を評価する方が適切かと思います。 私も「旧型と新型のどちらのデザインが好きか?」と問われれば、「旧型の方」と答えます。しかし、「併売される旧型顔のガソリンタイプと新顔のディーゼルのどちらを買いますか?」と問われたら迷わず新型デリカD5を選びます。URBAN GEARには、興味がありません。新型デリカD5は、フロントデザインを除いては確かに現行よりも優れています。しかし、価格が跳ね上がり過ぎです。現行デリカの母体に各種変更を追加しているのですから当然、販売価格は上がります。 逆に現行デリカは、現在の車に標準装備されつつある部分がないため、価格を抑えられていたのかもしれません。デリカD5だけを狙っていた人は今後、デリカへの縛りをなくし他社の1BOX、4WD、SUVを検討候補に取り込む傾向が強くなるかと思います。今回の新型デリカD5は、汎用的なデザインや技術を取り込んだことにより、デリカのみを購入対象としようと考えていた人たちを様々な車へと向けてしまった感があります。汎用的なコンセプトを選んだのですから、当然の結果ではないでしょうか?。顧客層を拡げたいという三菱自動車のコンセプトが今後、どのような結果になるのかが注目です。

新型デリカD:5 P(7人乗り)横の画像09

新型デリカD:5 P 横

新型デリカD:5 URBAN GEAR G-Power package(8人乗り)横の画像10

新型デリカD:5 URBAN GEAR G-Power package 横

新型デリカD:5 P(7人乗り)後の画像11

新型デリカD:5 P 後

新型デリカD:5 URBAN GEAR G-Power package(8人乗り)後の画像12

新型デリカD:5 URBAN GEAR G-Power package 後

新型三菱デリカD5の変更点

今回の新型デリカD5は、フルモデルチェンジではなく「ビッグマイナーチェンジ」です。マイナーチェンジは本来、商品のデザインや性能を部分的に設計変更し需要をあらためて掘り起こそうとするものが一般的とのことです。今回はこのマイナーチェンジにビックが付いているので、基本構造などの基幹部分は継続し、変更が必要と思われる部分のみを大幅に変更したモデルと私は捉えています。今回変更された部分が、一部の購入前顧客から要望が上げられていた項目や弱点の克服であることは理解できます。そこで今回は、変更箇所がなぜ変更されたのかを私になりに考えてみました。変更された背景はさまざまだと思いますが、大きく「機能改善」・「メーカ都合」・「業界都合」の三つがあるのではと考えます。かなり独断と偏見の意見になっているかと思いますが、お許しいただきたく。

主な変更点
機能改善

本ホームページでは、変更された背景を3つに分けました。そのひとつ「機能改善」は、単純に現行デリカD5の機能改善、修正をさしマイナーチェンジモデルとしては、素直に受け入れられる変更点部分としました。

インテリア(内装)の変更

インストルメントパネルは、悪路でも車体姿勢をつかいみやすい水平基調に変更されました。立体盤面によるメーターデザインなど、視面覚や感触面が変更されています。木目調、艶やかなブルー調などのパネルも用意されました。オプションですが、純正ナビゲーションに、10.1型の「DELICA D:5 オリジナル10.1型ナビゲーション」を設定。シート生地も、凹凸のあるラミ付エンボスを施し丈夫で上質な仕上げにしています。

新デリカD5のインストルメントパネルの画像03
新デリカD5のインストルメントパネル

インストルメントパネルは、現行デリカD5よりも見やすくきれいにまとまっています。10.1型ナビがしっかり調和。

新デリカD5のインストルメントパネルの画像04
キルティング加工シート

美しい仕上げのキルティング加工シートは、手触りもよく現行デリカD5よりも座りごごちがいいです。

ルーフビームガーニッシュ(天井照明)の画像05
ルーフビームガーニッシュ(天井照明)

後席環境は現行D5とほぼ変わらないですが、ルーフビームガーニッシュなど細かな点が改善されています。

ディーゼルエンジンのトルクUp

新型デリカD:5には、最新の2.2Lディーゼルエンジンが設定され前モデルの最大トルクから2kgm(5%程度)アップしています。また、排出ガスを浄化する「尿素SCRシステム」を三菱自動車として初めて採用しています。そのため、定期的な尿素補填が必要となりスペアタイヤがなくなっています。

トランスミションの8速化

トランスミッションは、前モデルの6速ATが8速まで多段化され、燃費向上にもつながっています。新型ディーゼルエンジンと8速ATの相乗効果で、回転域の駆動力に余裕が生まれ、吹き上がりも向上し若干ですが静粛性や燃費も改善しています。

パワーステアリング

パワーステアリングもこれまでのラック&ピニオン式から、デュアルピニオン式の電動パワーステアリングに変更。 初期操舵からのしっかり感を確保するとともに、モーターによる違和感を少なくしてより自然な操舵フィーリングを実現しています。

メーカ都合

本ホームページでは、変更された背景を3つに分けました。そのひとつ「メーカ都合」は、マイナーチェンジとして受け入れられる背景と言うよりは、メーカの意思が強く働き、想像以上の変更がされた背景を持つことを「メーカ都合」としました。

フロント外観の変更

誰もが一見してわかる大きな変更点は、フロントデザインの変更です。このフロントデザインに対する悪評が、世間を騒がせている根幹部分です。なぜ変更されたのかを考えてみるとこれは、三菱自動車の「メーカ都合」だと個人的には考えています。三菱自動車は、三菱の車だと一目見て感じてもらえる特徴の推進を進めています。その一つが、三菱のブランドデザイン「ダイナミックシールド」です。人気が高いデリカD5にも、この「ダイナミックシールド」を取り込ませたいとの強い思いがあったのでしょう。設計者も本当に苦労したかと思います。結果的には、斬新的な縦型のマルチLEDヘッドライトを採用し、何とかまとまりのあるフロントデザインにしたのではないかと思います。このフロントデザインが好きか嫌いかは、市場でツィートされているのでここでは何も言いません。私が問題にしたいのは、メーカ都合の三菱ブランドデザイン「ダイナミックシールド」を新型デリカD5に適用することが適切だったのか?と言うことです。個人的には、この「ダイナミックシールド」のデザインは嫌いではないのですが、アウトドア的なカジュアルさはなく高級感あるイメージのデザインだと思います。このデザインを採用すれば当然、従来のデリカコンセプトの顔が崩れるのは誰もがわかっていたかと思います。決して顧客要望ではなかった変更点です。市場は、どちらに軍配を上げるのしょうか? 最近、この顔に慣れてきましたが、吉と出るのでしょうか?凶とでるのでしょうか?私も興味があります。

2017年デリカD5の画像06
2017年デリカD5
新型デリカD:5の画像07
新型デリカD:5
新型デリカD:5 URBAN GEARの画像08
新型デリカD:5 URBAN GEAR
業界都合

本ホームページでは、変更された背景を3つに分けました。そのひとつ「業界都合」は、マイナーチェンジとして受け入れられる背景と言うよりは、単一の会社のみではなく車業界全体の意思や社会的背景が強く働いた背景を「業界都合」としました。

安全装置の全車標準装備

新型デリカD:5には、予防安全技術の新「e-Assist」が全車に標準装備されました。センサーにミリ波レーダー/赤外線レーザー/単眼カメラを使い、幅広い速度域に対応しています。 運転支援の機能は、車間距離を自動制御できるクルーズコントロール(ACC:アダプティブクルーズコントロール)が装備され、パーキングブレーキが電動式になり先行車に追従して止まった後でも、停車状態を保つことができます。 後方の並走車両などを検知して知らせる機能も用意され、Pには標準装着、Gパワーパッケージはオプションとされています。現行デリカD5には安全装置がないので、現代の車としては当然用意されるべき装備だと考えます。しかし、全車に標準装備は必要なのでしょうか? 確かに社会的傾向から言えば正解なのですが、価格が跳ね上がった原因の一つです。新型デリカD5は、現行デリカD5と比較し諸経費を含めれば30万円~60万円程度割高になっていてすでに高級車に入ってきました。個人的な意見は、危険予知的な警報系装備は用意した方がよいと思うのですが、自動ブレーキや自動速度などは現段階で必要なのでしょうか?私の現デリカD5にも安全装置はついていませんが、パイオニアナビで「車間距離警報」や「走行レーンへの片寄り」などの感知機能を利用しています。車業界や社会的背景から考えれば今後、車に安全装置が装備される時代に変わっていきます。安全装置での事故も少なからずあるそうですが、あまり表面化しません。安全装置は、完成度合いを見ながら自らの判断で装備時期を考えるべきかと思います

新「e-Assist」の画像13
新「e-Assist」
新デリカD5カタログより引用

新型三菱デリカD5発表で許せないこと!

気持ちはわかるが、三菱商品戦略本部CPSチーム商品企画主任の渡邊怜子氏のインタビューはありえない!

三菱自動車は、現デリカの世界を築いてきた既存ユーザを軽率に見ているのでしょうか?目の前の営利にのみ目を向け、新たな顧客開拓を上げ50年間既存顧客が育ててきたデリカの世界の感謝をわすれてしまったような感じがします。三菱商品戦略本部CPSチーム商品企画主任の渡邊怜子氏のインタビューには、既存デリカユーザーとして許しがたいインタビュー表現があり三菱自動車の細かな気遣いが一切感じられないインタビューになっていました。株式会社イード様のホームページにある【三菱 デリカD:5 新型】12年ぶりの大改良、コンセプトは「継承と進化、弱点の克服」記事の中で商品企画主任の渡邊怜子氏は、「(記事省略)・・・「デリカD:5のポジショニングは、他社の5ナンバー、3ナンバーミニバンに対し、カジュアルかつアウトドアという独自のポジションを築いていたが、アウトドア色が強くてユーザーを限定してしまっているという一面もあった」とし、「非購入ユーザーからは、街乗りで使うには少しアウトドア色が強すぎる、アウトドアが好きだが、今の自分の年齢を考えるともう少し落ち着いて見られるようなクルマに乗りたい」という声もあると今回の新型デリカD5開発のコンセプトを説明している。問題は、「・・・アウトドア色が強くてユーザーを限定してしまっているという一面もあった。・・・」この部分は、既存ユーザを完全にバカにしきっている表現。「・・・だからデリカの販売台数が今以上に上がらない・・・」と結びつけるような表現だ。私なら 「デリカD:5のポジショニングは、他社のミニバンに対し、格式ばらずカジュアルにかつアウトドア派という独自のポジションを、多くのデリカファンの方々によって築いていただきました。特に、アウトドア=デリカと結びつくイメージを生み出していただきましたことに強く感謝します。これらの多くの既存ユーザ様に感謝するとともに、このコンセプト基盤を継承し活かしつつさらにデリカのユーザ層を拡大すべく今回斬新的な挑戦を試みました。」ならば多少腹が立たない。新型三菱デリカD5のデザインがどうのこうのと言うよりも、現コンセプトを殺すと捉われる表現を許す三菱自動車が理解できない。これが三菱自動車が言う「デリカらしさを継承せよ」らしい。 逆に「スズキの新型ジムニーはすごい。」コンセプトがまったく寄れていない。 おそらく新型の三菱デリカD5も販売を今後増やしていくかと思うが、デリカのコンセプトを変更しようとする三菱自動車の方向性に疑問がある内は、今のデリカD5と楽しいデリカ生活を楽しみたい。

2018年12月9日に、既存ユーザの私にも「新型デリカD:5予約受付中」のDMが来た。まったく問題なし。

12月に入り既存ユーザの私にも関東三菱自動車販売㈱より「新型デリカD:5予約受付中」のDMが来た。両面印刷のカラー印刷なのだが、このDMのあいさつ文章は、まったく問題がなかったと感じています。ご紹介すると「1968年に誕生したデリカシリーズは、2018年に誕生50周年を迎えました。その記念すべき節目の年に、新型デリカD:5の予約受付を開始致します。新型デリカD:5は、「車を通じて家族との絆、仲間との絆、そして自然との絆を深め合う」という歴代デリカに受け継がれてきたその精神を継承し、さらなる進化を遂げました。「圧倒的な悪路走破性を備えた4WDミニバン」という本質的な価値を継承・進化させた新型デリカD:5は、より豊かで、アクティブなカーライフを楽しむための「頼れるタフギア」として、きっと満足いただけると確信しております。」となっていて、さらに右(下)の写真のように封筒の表面に「デリカをご愛用いただいている大切なお客様へ」が金文字で印刷されている。この路線で行けば、悪評の加速はなかったのかもしれない。嘘でもこのコンセプトならば、私は新たなデリカD:5を応援したくなる。商品企画主任の渡邊怜子氏は、もう一度ビジネスの基本を勉強し直すべきだ。(記述日:2018年12月9日)

既存ユーザ向「新型デリカD:5予約受付中」DMの画像14
既存ユーザ向「新型デリカD:5予約受付中」DM

2019年1月19日に千葉県 袖ヶ浦フォレストレースウェイで開催された「デリカファンミーティング」での、新型三菱デリカ:D5の「新型三菱デリカD5同乗走行体験」「新型三菱デリカD5による4WD登坂キット体験」「新型デリカD:5の車両展示」「新型デリカD:5開発者 Q&Aトークセッション」の様子を、第1章3編:新型三菱デリカD:5の同乗走行を体験!で紹介しています。

新型三菱デリカD5による4WD登坂キット体験

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